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選手権大会予選の日程について考える

投稿日:2018年5月13日 更新日:

各地で春季大会真っただ中ではあるが、第100回選手権大会の開幕まで3カ月をきり、少しソワソワし始めた。

今年の夏の甲子園は、これまで記念大会で増枠していた6府県に加え福岡も2代表となり56校で行われるが、この増枠した地域の過去の記念大会での成績を見ると、ある傾向が見られる。ベスト8進出校数で振り返りたい。

■第80回(1998年)、第90回(2008年)大会で増枠した府県(埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫)の代表でベスト8に残った高校↓

・第80回:横浜、豊田大谷、PL学園、関大一 の4校がベスト8進出

・第90回:大阪桐蔭、横浜、報徳学園、慶應義塾 の4校がベスト8進出

対象は2×6で12校なので、過去2回の記念大会は対象となる府県の代表校の、33%がベスト8に進出している。

ちなみに、過去5年のこの6府県の代表校のベスト8進出数は以下のとおり。

・第95回(2013年):0校

・第96回(2014年):大阪桐蔭の1校(17%)

・第97回(2015年):東海大相模、花咲徳栄の2校(33%)

・第98回(2016年):木更津総合の1校(17%)

・第99回(2017年):花咲徳栄の1校(17%)

記念大会で増枠される地区の、記念大会での上位進出率が比較的高いことがわかる。

なぜか。

様々な要因があるだろうが、筆者は予選の日程が大きな理由だと思う。

例年どの地域も予選の終盤は日程がつまってくる。準決勝・決勝は連戦というのは当然で、5回戦から決勝までの4試合を5日間で行う地区も(特に出場校が多い県で)多い。ところが記念大会で増枠になる府県の予選は、2つに分けた両方の地区でメイン球場を交互に使って終盤戦を行うため、例年よりも連戦が少なくなる。投手陣はじめ選手への負担が比較的軽減された状態で甲子園に行けるのだ。

愛知のように、学校の1学期が終わるまで平日に予選を行わないため、そのしわ寄せが7月最終週に集中し、5回戦以降は4連戦などという狂った日程を強いられる地域や、毎年全国で最後の方に代表校が決まる大阪・神奈川などは特に、この記念大会日程の恩恵は大きい。

ということは、だ。各都道府県の高野連は、代表校を勝たせたかったら毎年最終盤の日程に余裕を持たせろ、という簡単な話に思えてならない。

今年の愛知予選など、学校の1学期が終わるまでは~などと悠長なことを言っていては予選が終わらないので、特例的にどうにか7月中に予選を終えるように日程を組むのだろう。なら毎年7月前半からコツコツ日程を消化して、終盤で日程が詰まらないようにしろよと言いたい。そうでないと、毎年のように大型チームを代表に出しておいて大会前半であっさり負けるというパターンを繰り返すことになるだろう。甲子園に出るころには疲労がピーク、では全国優勝など夢のまた夢だ。

各都道府県の高校野球レベルは代表校の甲子園での成績で測られる。どこの高野連も知恵を絞って県全体のレベルアップを、ということを説いているのだろうが、代表校を甲子園で勝たせたかったら、まずは毎年の県大会の日程を見直してはどうか。そしてぜひ各都道府県高野連には、どういうコンディションで代表校を甲子園に送り出すのか、という発想を持ってほしい。

余談だが、離島が多く、週末のみの予選開催で代表校を決めざるを得ない沖縄県は大変だと思う。毎年開会式を行う日に離島組の初戦をセットするなど工夫をしている同県だが、6月に予選を始めて、海の日のある7月中旬の3連休くらいには代表校を決められるように日程を組まなければ、台風などで最悪2,3週順延してしまったら代表校決定が8月に入ってしまう。そのため毎年全国でトップをきって代表校が決まることになるが、順調に日程消化してしまうと、代表校決定から甲子園での初戦まで1カ月近く空くことになってしまう。

2010年に春夏連覇した興南が、夏の甲子園前にこっそり練習試合したのがバレて高野連から厳重注意を食らっていたが、そうまでしたい気持ちはとてもわかる。一カ月も空けば試合勘を取り戻すことから甲子園の戦いが始まることになってしまう。(そもそも練習試合をすること自体卑怯でもなんでもないのに、規則だからと言って杓子定規に取り締まる高野連の感覚もよくわからないのだが。)

記念大会ならではの予選日程が本戦にどう影響するか、見届けたい。

 

 

 

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