明秀日立 001010002=4
瀬戸内 101100000=3
強引な打撃と走塁ミスを繰り返していた明秀日立が土壇場でうっちゃった。
試合開始直後、明秀日立の先頭増田のレフトフェンス直撃の当たり、クッションボールが大きく跳ね返る間に楽々3塁に到達したが、中継が乱れたのを見てホーム突入し、アウト。この試合終盤までの明秀日立のちぐはぐさを象徴するようなプレーだった。
1回裏、明秀日立の先発細川は2死一塁で4番門叶を迎えてから急に力みだし、3者連続四球で押し出し、先制点を許す。
2回表の明秀日立の攻撃も、1死一二塁から増田のライトフライを一塁走者が飛び出し併殺。またもや走塁ミスでチャンスを逃す。
3回表に芳賀のライトオーバーのタイムリーツーベースで同点とするも、直後の3回裏にすぐに勝ち越される。この回の明秀日立の守備もまずかった。無死一三塁から連続三振で2死一三塁とし、打順は7番。(そして相手は広島のチーム。)当然ダブルスチールをケアする場面で、初球瀬戸内はダブルスチールを仕掛けた。ここで明秀日立のセカンドが送球をカットし、三塁ランナーをけん制してから二塁上のショート増田にトスし一塁ランナーの挟殺プレーに。ここで増田が中途半端な追い方で三塁走者のスタートを許し、無理な体制からバックホーム、悪送球。労せず瀬戸内に2点目が入った。
瀬戸内はさらに4回に選手宣誓の主将・新保のタイムリーで3点目。前半は完全に瀬戸内のペースであった。
ところが5回表、流れが微妙に変わる。1死二塁の3ボールから明秀日立4番芳賀が強引に引っ張りセカンドゴロで2死三塁に。進塁打とも言えるが、4番打者が3ボールからする打撃ではなかった。またもやもったいない攻撃で明秀日立無得点かと思った矢先、瀬戸内の浴本投手がスライダーをひっかけ暴投。意外な形で2-3となった。結果的にこの1点が余計であり、最終盤で効いてしまった。
その裏、打席の浴本は左太ももにデッドボールを受ける。蹴られたらしばらく力が入らない、いわゆるモモパンである。それでも直後こそ球は大きく浮いたが、終盤まで粘り強く明秀打線をかわしていく。
終盤になると徐々に明秀日立も焦りだす。7回も先頭増田がまたもフェンス直撃のツーベースで出塁するも、次打者のショートゴロで3塁を狙い封殺。またもや走塁ミスが出た。この回4番芳賀の完璧なあたりもファースト真正面のライナーでチェンジ。いよいよ焦りを隠せない明秀日立の自滅が見えてきた。
ところが、後がない最終回の攻撃でようやく明秀日立が真価を見せる。先頭のこの日2安打・8番有住が逆らわずにレフト前ヒットで出塁。続く代打佐伯は2球で追い込まれるも、そこから低めのスライダーを見極め、高めのまっすぐをファールで粘り、フルカウントにもっていってから高めまっすぐをライト前におっつけた。スタートを切っていた走者は一気に三塁へ進み無死一三塁。
ここで1番増田は初球のスライダーをライト前に同点タイムリー。この試合を通じて、低めの変化球を完璧に見極める反面、高めのまっすぐを強引に打ちフライアウトを重ねていた明秀打線が最終回にしてようやく見せた謙虚な逆方向3連打でついに追いついた。次打者の送りバントで1死二三塁となった場面で瀬戸内は先発浴本をあきらめ山根へスイッチ。瀬戸内の監督は試合後、最終回の先頭から代えていればと悔やんでいたが、こればっかりは何とも言えない。変に代えずに浴本でそのまま行ったらすんなり終わっていた可能性も十分ある。そういう流れだった。とにかくこの最終回に関しては、明秀打線が謙虚につないできて、浴本の投球を少しだけ上回ったのだ。
結局、二番手山根から明秀3番の池田が決勝点となる犠牲フライを放ち、瀬戸内の継投は実らなかった。
裏の瀬戸内も粘りを見せ、2死三塁で門叶という場面を迎えたが、初球のアウトコース高めのボール球に手を出しセカンドフライで試合終了。秋季中国大会の1試合4発で注目を集めたスラッガーだったが、結局1安打で大会を去ることとなった。最後の打席は狙い球ではなかっただろうが、中途半端に反応して悔しい結果となった。
明秀日立は甲子園デビュー戦の土壇場でようやく打線がつながり辛勝。7-3くらいで楽に勝てたんちゃうん、という印象ではあるが、こういうちぐはぐな展開からの逆転勝ち、という初戦の入り方をした高校ほど勢いに乗るのが甲子園でもある。
ただ、完投した明秀日立のエース細川。140キロのまっすぐは魅力ではあるが、今日の試合ではインコースのまっすぐが全く決まらなかった。気は早いが大阪桐蔭打線に通用するかというと、今日の投球ではちょっと難しいように感じた。