夏の甲子園観戦3日目、最終日。
いよいよ準々決勝。7:30頃に出発し、早足で球場へ向かう。

あの酷暑が嘘のように、この2,3日、朝は涼しさすら感じる。

席に着くと、大阪桐蔭のノックが始まるところだった。前半、西谷監督が内野ノックを打ち終わると、後半はガチャガチャした打ち方の左ノッカーに引き継ぐのが大阪桐蔭のいつもの流れ。
今日の席は6段目。(※ちびっこたちが座っているいわゆるネット裏区画は何段目という概念はなく、あの区画の後ろの通路を挟んだ席が1段目となる。なので一番前から数えると16列目くらい)
筆者は7/18の単日券の販売日の10:00ちょうどにスタンバイしてチケットを買ったのだが、自分が買った中段エリアは1段目以降と思われる。6段目ということは上には上がいるわけだ。どうやって買ってるのだろうと思っていたのだが、いかに自分が7/18のチケット販売日に綿密な計算をして買ったかという話を連れとしていたら、前列のおじさんが振り返って「兄ちゃん、単日券の中では一番前やわ」と言った。
「?」一瞬何を言っているのかわからなかったが、どうもおじさんが座っている5段目の席は通し券エリアなのか関係者席なのか、とにかく単日券ではとれない席らしい。自分が座った席は「中段-3」エリアで最も番号が若い席だったので、おそらく筆者がその日全国で最も早く「中段-3」エリアを買ったということなのだろう。これは縁起がいい。

全国で一番早く「中段-3」の単日券の席を買った、その席。喜びもつかの間、第一試合途中には日なたになった。

大阪桐蔭vs浦和学院。大一番を前に水が撒かれ、緊張感が高まっていく。早く始まってほしいような、ずっと始まってほしくないような、子供のころの夏休み前日の気分だ。
さて、第一試合、大阪桐蔭vs浦和学院。今大会最高峰の大一番だったが、結果は11-2と大差がついた。5回裏、ラッキーなイレギュラーヒット(※実質的にはバウンドをあわせられなかった大阪桐蔭・山田の失策)で2-3と一点差に迫った浦和学院だったが、6回の渡邊→永島の継投が裏目に出て大量失点。その後も失点を重ね、力負けした。
この継投、無死一塁から二塁で刺せそうな当たりのバントを渡邊が二塁に送球できず走者を進められた場面だったこともあり、タイミングとしては決して間違いではなかったと思う。ただ、二番手の左腕・永島が気負ってしまい、四死球を続けて与えてしまったのが悔やまれる。結果論だが、森監督が3回戦の二松学舎大付戦(6-0)で完投を志願した渡邊の申し出を却下し、初戦同様永島を含む継投で勝ち上がっていたら、渡邊をもっと長いイニング使えた&永島をより場慣れした状態で登板させられたのではないか。前の試合で渡邊がよすぎたがゆえの結果と感じた。

最終回。敗色濃厚の中グラウンドを見つめる森士監督。何を思う。
第二試合は報徳学園が最終回に追い上げ、意地を見せるも済美が3-2で競り勝ちベスト4進出を決めた。結果的には、初戦で3二塁打と大当たりだった小園の2試合連続のブレーキと、最終回の失策、そして3点目のセンター前タイムリーヒットへの反応が遅くなってしまったのが響いた。

売店エリアから外を見ると、再販売待ちの長蛇の列。今年は中央特別席が指定席となり再販がないため、かなりの狭き門である。

酷暑がおさまったといっても、日なたの観戦は体力勝負。試合の合間は多くの観客が売店エリアで涼をとる。
第三試合の日大三vs下関国際は意外や意外、下関国際が終始自分たちのペースで試合を進め、8回まで2-0と日大三をリード。しかし、7回にようやくノーヒット・ノーランを逃れた日大三打線が8回裏に目覚め、電光石火の3得点で逆転。ベルギーばりの逆転劇でベスト4進出を決めた。
そして第四試合は伝説となった逆転サヨナラ2ランスクイズで金足農が近江を下し、34年ぶりのベスト4進出を決めた。今年一番の大歓声を現地で聞くことができ、大満足で球場を後にした。

甲子園のマモノの餌食となった近江だったが、智辯和歌山を初戦で破るなど素晴らしい戦いぶりだった。林ー有馬のバッテリーを来年も見たい。
ホクホクと球場を後にし、兄の家に向かおうと一塁側から外野席側に歩いていくと、外野席から出てきた観客の多くが、金足農業の控え部員やマネージャーに「おめでとう!」「がんばれよ!」と声をかけていた。気恥ずかしそうに、歓声にこたえる秋田の少年・少女たち。金足農業がまぎれもなく大会の主役に躍り出た日でもあった。
試合後は3日連続の居酒屋「じゅげむ」で名物・ヒーロー揚げを食べて打ち上げをしてから、帰京。第100回大会を堪能しきった3日間となった。
さて、今年の甲子園。ABCの放送主題歌が嵐と聞いて全然期待してなかったのだが、この「夏疾風」が何回も聞いているとだんだんと耳になじむ、隠れた名曲だった。筆者が現地で見た3回戦・準々決勝の12試合のうち、ほとんどの試合で一塁側のチームが勝ったのだが、三塁側の負けたチームがうつむきながらバックネット裏を通って引き上げる際にちょうど夏疾風がバックでかかっており、実にマッチしていた。21世紀では03年の「夏の終わり」(森山直太朗)、09年の「Halation」(秦基博)に匹敵する主題歌だったと言える。(91,92年の浜田麻里「Precious Summer」を上回る名曲にはまだ出会っていない)
ありがとう、甲子園。今年も心の底から堪能した夏休みとなった。