第90回選抜の組み合わせが決まった。
https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2018/tournament/
トーナメントの上からA~Dブロックの4つに切り、各ゾーンを見ながら大会の展開を予想する。
■Aブロック
各地方大会優勝校10校のうち6校が集中し、そこに東海大相模が加わった最激戦区となった。その中でも明徳義塾―中央学院の神宮大会のリベンジマッチが初戦屈指の好カードとなった。中央学院の大谷が今大会の主役になれる可能性は十分あるが、しかし初戦に強い明徳義塾が相手とあってはかなり分が悪い。しかも秋に一度対戦しているとなれば、相手を丸裸にするだけの情報が馬淵監督の手元にあるだろう。地味なスコアで明徳義塾が勝つのではないか。
順当にいけば聖光学院―東海大相模の勝者が準々決勝で明徳義塾と対戦、という構図だが、日本航空石川も明徳を倒せるだけの戦力を持つ。投手陣の調子次第だろう。
■Bブロック
前評判でいうと智辯和歌山と創成館になる。智辯和歌山は戦力が充実しているが、近年甲子園のトーナメントを勝ち上がった経験がなく、一択とは言えない。90年代後半~2000年代前半の全盛期では初戦で打線が爆発し勢いにのって一気に決勝進出というケースが多かったが、富山商との初戦でどれだけ打てるか。15安打くらい打って勝てたら久々の躍進もあるのではないか。
創成館も神宮大会準チャンピオンとはいえ甲子園で勝てるかとなると話は別だ。かたや甲子園での優勝経験があり、かつ地元アドバンテージのある智弁学園も、十分ベスト8進出の可能性がある。3回戦で創成館と対戦した場合、五分五分ではないか。
■Cブロック
片方は大阪桐蔭一択と言える。今回の抽選で桐蔭が一番怖かったのは、投手3枚のアドバンテージを発揮する前(つまり大会序盤)に、大会屈指の好投手に当たることだったろうが(一昨年の木更津総合・早川のように)、このブロックで大阪桐蔭を抑え込める投手がいるかというと、明秀日立・細川が確変したらわずかに可能性があるかもしれないが、難しいか。
もう片方は全く読めない。前評判だと東邦だが、昨夏の中京大中京しかり前評判が高いときほど愛知の高校はあてにならない。東邦自体も一昨年に優勝候補に挙げられながら初出場の明石商に完封負けするあたり、甲子園で勝ち上がる力があるかは疑わしい。この東邦に、近年甲子園で勝てる花巻東、投手力の彦根東・慶應義塾のどこが勝ち上がっても意外ではない。ただし、この4チームで準々決勝で大阪桐蔭と張り合えるのは、投手陣の調子が良かった場合の東邦だけだろう。
■Dブロック
片方は、由利工以外は戦力拮抗と言える。とりあえず名前で強そうと思われる日大三も、全盛期の圧倒的な力はない。地元のアドバンテージと投手力で乙訓を推す。初出場のプレッシャーもあるだろうが、初めての近畿大会となった秋の戦いぶりを見ても、初戦から浮足立たずに戦えるのではないか。もう片方は富島以外の三つ巴か。近江と星稜がおなじみだが、甲子園では注目選手が卒業した後に出てきた高校がスルスルっと勝ち上がることもままあるので、アドゥワの後輩たち(松山聖陵)に注目したい。
■全体(大阪桐蔭を軸に)
大阪桐蔭の連覇をどこが止めるかが今大会最大の見どころだが、この抽選結果は桐蔭にかなり追い風となるだろう。初戦の伊万里戦を落とすことはまずない。前半で大量リードを奪って、あとは得意の流し運転に入るのではないか。そうなると柿木→横川→根尾とつないで全員調整登板させられる。桐蔭の大会全体のプランとして、大会序盤をどうにか乗り切りながら投手3枚とも使えそうな目途を立て、投手力アドバンテージを生かせる後半につなげたいはずだ。そのための最高のスタートを切れそうな対戦相手と言える。特に横川は昨年初登板の静岡戦で1回持たず5失点で降板しているので、今回どこで最初に投げさせるかを慎重に考える必要があった中で、これは助かった。
そしてもう一つ、トーナメントの(2つに分けた内の)後半側に入った。こうなると、準々決勝で大阪桐蔭と当たる高校は厳しい。3回戦と連戦になるからだ。このあたりから大阪桐蔭の投手力のアドバンテージが発揮される。準々決勝であたる東邦、花巻東、彦根東、慶應は3回戦でエース(あるいは最も調子のよい投手)を温存することも難しい組み合わせだ。
準決勝・決勝で当たる高校はもっと条件が厳しくなる。準決勝で当たる組では星稜・奥川のような可能性を秘めた若い力に注目したい。
トーナメント逆サイドでは東海大相模、聖光学院、明徳義塾、智辯和歌山、と良い投手がいるにはいるが、一人ではやはり厳しい。秋の近畿大会終盤で智辯和歌山の2番手投手が意外にも(失礼)好投したように、控え投手のサプライズ活躍がなければ、決勝で桐蔭と当たるころにはエースが疲労困憊、ということになり、まともな勝負にならないだろう。
あとは天候が大会の展開を左右する。ピンポイントに、3回戦、準々決勝、準決勝、決勝の合間に順延が起きた場合は、計算できる投手が一人しかいない高校にとっては恵みの雨となるが、準々決勝翌日の予備日がなくなるほどの順延が大会序盤で起きてしまった場合は、大阪桐蔭の一人勝ちとなるだろう。