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横浜11-4智辯和歌山(2025センバツ決勝)

投稿日:2025年3月30日 更新日:

97回センバツの決勝は高校野球ファン垂涎のガチンコ対決、横浜対智辯和歌山となったが、横浜が中盤の集中打で一気に突き放し、19年ぶりの頂点に立った。

和智弁 010000021=4
横 浜 10200620×=11

1回裏の横浜の攻撃、1死から2番為永が内野安打で出塁すると3番阿部が一二塁間を破るヒット、と思いきや打球は一塁走者為永の足にあたり、まさかの守備妨害。一瞬の判断の中で、1死一三塁を作るためリスクをとった走塁をしたのだろうが裏目に出た。

ここでチャンスがしぼむかと思った矢先に阿部がディレードスチールを見事に決め、得点圏に進む。大会序盤でも見せた阿部の大きな武器が大一番で早速効きチャンスを広げると、4番奥村頼のタイムリーで横浜が先制。智辯和歌山は大会で初めて追う展開となった。

智辯和歌山も2回、連打に相手エラーが絡んでつかんだチャンスに7番大谷が完璧なセーフティスクイズを決めて早速同点。

その裏先頭の横浜・池田の左中間への当たりをセンター藤田がスーパーキャッチするなど、序盤は決勝の緊張感からかミスもあったが、さすがのプレーをお互いに見せ、がっぷり四つの展開に。

試合を動かしたのはまたも横浜・阿部。3回、織田ヒット、奥村凌のバント処理を智辯の渡邊がミス、さらに為永犠打でつかんだ1死二三塁のチャンスから、高めのまっすぐを三塁線上に落とす2点タイムリーで再びリード。

そして、試合を決めたのは6回表裏の攻防だった。

智辯和歌山は四球、バント、ワイルドピッチで1死三塁のチャンスを作り、4番福元のカウント2-2となったところで、横浜は先発織田から左腕・片山にスイッチ。村田監督が勝負手に出た。筆者は投球練習での球種をチェックしていたが、最後の方はスライダーばかり投げていたのでおそらくスライダーかなというところで、片山が投じたのはやはりスライダー。アウトローを狙ったはずの球が肩口から入ってきて福元はかえってタイミングを外されるような形になった。見事にスイングアウトに切って取り、片山は一球で大役を終えた。

そして2死三塁、代わった奥村頼から5番荒井が変化球をうまくとらえセンター前に運んだ打球、智弁が追撃のタイムリーと誰もが思った打球をもぎ取ったのが、阿部だった。回転しながらのダイビングキャッチにどよめく甲子園。ジョックロックで圧がかかった場面でタイムリー、からの後半智弁劇場か、という流れを完全に断ち切るスーパープレーで智弁の追撃ならず。

そしてその裏横浜は、その阿部がレフト前ヒットで出塁すると奥村頼の連打で無死一二塁のチャンスを作る。だがまだ流れはどちらかに行きそうで行かない。バント2連続空振りからのヒッティングでセンター前か、という当たりだったがマウンドで大きくはねた打球は6-6-3のごっつぁんゲッツーとなり2死三塁。智弁も凌ぎ粘り合いのまま終盤にいくかと思われた場面だったが、池田死球のあと7番・駒橋が値千金のタイムリー。インコースの速球につまりながらもセンター前に運び、横浜に大きな大きな4点目が入る。この後智弁サードのエラーで5点目が入ると、3連打で先発・渡辺をノックアウト。さらにこの回2打席目の阿部のタイムリー内野安打で横浜が一挙6点を挙げ試合を決めた。

8回の福元のフェンス直撃2点タイムリースリーベースなど3点を返し意地を見せた智辯和歌山だったが、横浜が11-4で勝利、19年ぶり4回目の春の頂点に立った。

効果的な勝負手で系統を決めた横浜に対し、智辯和歌山の投手のスイッチが遅かったという見方もできるだろうが、二番手以降の出来を見ると、速球が注目された宮口投手含めてやはり一段落ちるなという印象だった。智弁としては、疲れのたまっている渡辺投手だが、彼に凌いでもらうのが最も妥当な選択肢だったのだろう。ダブルエースに加えて、しびれる場面でも投げ切れる投手陣を抱えた横浜投手陣との差が、最後の最後に出た形となった。

42000人が魅了された決勝戦のマン・オブ・ザ・マッチは文句なしで横浜・阿部主将だろう。昨夏、2年生主将として臨んだ決勝の8回に逆転され敗戦。自身もバックホームを焦り打球をはじくなど悔しいプレーがあり、試合後泣き崩れる姿を見ていたため、阿部選手の躍動を甲子園の大一番で見られ、筆者は胸が熱くなった。

横浜は新チームから公式戦20連勝で秋春連覇を達成。松坂擁した98年以来の秋春夏連覇に期待が高まる中、どこまで連勝を伸ばすか注目したい。

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