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思い出甲子園(1993年春)

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前年秋の近畿大会で優勝し、大会注目の左腕・岡島(元レッドソックス)擁する東山がなんと西の横綱との評で大会を迎えたこの年。京都の高校スポーツ界は盛り上がっていた。正月の高校サッカーでは山城が準優勝。ラグビーでは伏見工が優勝し、センバツに優勝候補・東山に加え、こちらも好左腕・金を擁する北嵯峨も出場。今年は京都イヤーだ!

と意気込むも、その希望は大会初日に打ち砕かれる。

東山は開幕日の第三試合に登場。相手は2年前に初出場でベスト4入りした国士舘だ。東山は序盤から岡島がまさかの絶不調。全く試合を作れずに降板したのだった。。救援した二番手投手が粘り接戦に持ち込むも、最終回に突き放されジ・エンド。まさかのまさか、2-6で敗れ、優勝候補はあっけなく姿を消した。

そうなると頼みは北嵯峨。初戦の相手はこれまた東京の世田谷学園だ。この年の世田谷学園は鈴木ツインズと呼ばれた双子を中心に秋季東京大会で恐ろしい打撃成績を残し(確か打率は4割越えで、出場校中最高だった)甲子園に初出場してきた、この大会の台風の目的存在だ。秋の大会の成績を見ると、とにかく打ちまくる、がとにかく打たれる。ことごとく打ち合いを制して東京チャンピオンとなるも、目黒投手の防御率は出場校エースの中でダントツに悪い7点台だ。ここまでチームカラーがはっきりした高校も珍しい。

結局試合は北嵯峨・金は世田谷学園打線を粘り強く抑えるも、3-3で迎えた最終回にサヨナラ犠飛を打たれ、万事休す。結局京都勢は東京勢に連敗して早々に大会を去ったのだった。

西の横綱が早々に姿を消す中、力強く勝ち上がったのが、上宮だった。
初戦で優勝候補・横浜と激突。横浜は中盤のチャンスに満塁フルカウントからスクイズを仕掛けるも、高めに大きく外れるボールに打者が飛びついてしまい、ファール。見送れば労せず1点のところがスリーバント失敗となる、強豪らしからぬ凡ミスでチャンスをつぶしてしまうと、もつれた試合はそのまま延長へ。最後は上宮主将・黒川のサヨナラタイムリーで優勝候補を撃破した。(※黒川の息子はその25年後のセンバツで、智辯和歌山の選手として創成館戦でサヨナラヒットを放ち、親子で甲子園でサヨナラヒットを放った唯一の例となる偉業を達成した)

勢いに乗る上宮は、2戦目の鹿児島実戦で先発牧野が快投。8回までノーヒットに抑えスタンドがざわめく中、なんと9回のマウンドには牧野の姿はなく、リリーフ投手が上がっていた。結局11-1で上宮が勝ったものの、現地で見ていた身としては試合後の監督の「ヒーローを作りたくなかった」という談話はなんとも解せなかった。

準々決勝では、倉・金子誠(元日本ハム)・根本を擁する優勝候補・常総学院を破った初出場・東筑紫学園を準々決勝で3-0で破る。この試合はここまで背番号9の牧野にマウンドを譲っていた背番号1・吉川の意地の完封劇だった。

準決勝では、3回戦で世田谷学園に勝ち、初めてベスト4に進んだ駒大岩見沢に11-4で打ち勝つと、決勝では大宮東を牧野が3-0で完封。2戦目以降はすべて完勝だった。元木を擁して決勝に進むも、悪夢の逆転サヨナラ負けで優勝を逃してから4年。上宮が初めて甲子園を制し、「大阪強し」を印象付けた。

しかし、この上宮の次に大阪勢が甲子園大会を制するのは2008年の大阪桐蔭と、実に15年もの年月を要した。甲子園で勝ち切るというのは実に難しいことなのである。

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