2012年以来夏の恒例行事となった習志野高校の千葉県予選を観戦。習志野高校の試合を見たのは2011年夏の甲子園1回戦、静岡との試合が初めてだった。この日は第一試合で、始発の新幹線で横浜から行ったため、試合を見れたのは中盤以降だけだったのだが、甲子園駅から外野席に向かう途中、球場外にもズンズンと鳴り響く重低音で、もう凄さがわかった。ブラバンの音の大きさがおかしいのだ。まるで右●の街宣車だ。すごいすごいと聞いていたが、こういうことか、と球場に入る前から納得してしまった。
そして試合は、1-1で迎えた7回に1点勝ち越した後、二死満塁からなんとトリプルスチールを成功。左投手、右打者の外角に投げる可能性が高いカウント、そして三塁走者宮内の完璧なスタート。全てが重なった完璧な攻撃で追加点をあげた習志野が6-1で勝利。応援はもちろん、そのプレーに度肝を抜かれ、わずか1時間あまりの観戦で習志野ファンになってしまった。
そうして習志野高校の試合を毎年見に行くのが夏の恒例となったのだが、2012年以降の同校は、昨年までの6年間で準優勝3回、ベスト4が1回と毎年のように上位に進出しながらも甲子園の出場を逃し続けている。秋季関東大会の準々決勝(実質的な甲子園出場決定戦)をあわせると、甲子園がかかった試合で5連敗中だ。今年の第100回大会でこそ甲子園で試合を見られることを期待しつつ、夏の組み合わせを確認すると、初戦はZOZOマリンスタジアムで7/15日曜とのこと。行くしかない。
そして迎えた試合当日。相手は佐倉高校、ミスターの母校だ。実に第100回大会らしい(?)組み合わせに胸が躍る。
妻と娘と7:20に横浜の自宅を出て、8:30頃イオンモール向かいの大駐車場に駐車。大駐車場にはエンジ色の習志野Tシャツを着たファンがわんさかいる。毎年おなじみの光景だ。試合開始まであと30分。ここから数百メートル球場までの道をうだうだ歩き、余裕をもって球場入り。と思ったら甘かった。大甘だった。
入場券を求める列、列、長打の列。100メートルくらいの列がくねくねと折り返され、3塁側に延々続いている。歩き続けるもなかなか列の最後尾にたどり着かない。どこから並ぶんだ。
ようやく最後尾に辿りつき並び始めるも、入場券の販売窓口まではざっと500mというところだろうか。この時点で8:40。だめだ、開始に間に合わない。しかしここでアナウンスが。どうも球場内に入れてない客が大勢いるため、試合開始を10分遅らせるようだ。どうなってるんだ県大会2回戦、なんという習志野人気。というか券売所の窓口を増やしてくれ。

絶望的な気持ちで炎天下、テクテクと券売所を目指す
ここで、日陰待機組の妻から電話が入る。この暑さに完全にやられ、イオンモールに避難するとのこと。確かに今日は朝からうだるような暑さだ、仕方ない。我が妻と子は夏初戦の舞台に立つことなく、大会を去った。
そうこうしてたら、15分遅れで試合開始。券売所まではあとまだ200mくらいある。すり鉢状のZOZOマリンスタジアムは習志野の爆音ブラスバンドであっても中の音が聞こえてこない。球場周りにも設置されているスピーカーで流れる場内アナウンス(「一回の表、佐倉高校の攻撃は~」)がさらに入場前の観客の心を焦らせる。

あと一回左に折り返したら、券売所に通じる階段が見えてくる。もう少しだ
並び始めて約50分。9:30にようやく入場するとすでに2回表だった。当初の予定通り、2階席の習志野の向かい側、3塁側に座り爆音を正面から浴びることにした。

千葉マリンの2階席は大部分が日陰で風が吹き抜けるので快適そのものだ。神奈川大会では味わえない贅沢。
ようやく席につき、のんびりブラバンを楽しもうと見始めたこの試合だったが、意外にも接戦となり最後まで楽しませてくれた。
佐 倉 020010200=5
習志野 02300201×=8
佐倉が2回に2点先制するも、習志野が機動力を絡めたソツのない攻撃で逆転。しかし佐倉も1番新井選手の3安打の活躍や終盤の代打攻勢で追いすがり、7回には2点差としなおも二死満塁というところまでいった。優勝候補相手に大健闘と言える戦いぶりだった。

内野席は2階までギッシリ。年々すごくなってる気がする、この熱気。
8回表の佐倉が無得点で終わり、球場内もほぼ習志野で決まりかなという空気に。ブラバンの真ん前、1塁側エキサイティングシートで見るとどんな感じなんだろうと思い、8回裏から移動した。なかなか空き席が見つからなかったが、3列横並びの席に、習志野Tシャツの下に長袖シャツ、帽子とタオルで完全装備、いかにも観戦慣れした習志野ファンの若い女性二人組が座っており、1席は空いているように見える。空いてるか尋ねると感じ良く頷かれたので、失礼して隣に座った。このお二人の話し声が耳に入ってきたが、オーダーがいつもと違うとか、いかにも習志野野球部事情に精通している様子。やはりこの界隈はディープな習志野ファンが陣取るエリアなのだ。
周囲を見渡すと、習志野Tシャツをまとったお父さんに連れられたファミリー(小さい子も、終盤でも飽きることなく戦況を見ていた)や、ピッチャーの佐藤君に向かって「佐藤、腕振れー!!思い切り腕振れ!!」と叫んでいる腕振れおじさん。みんな思い思いに習志野を応援しようと集まったフリークたちだ。そして背後からズンズンと「レッツゴー習志野」が流れると手拍子とともに、「ナ・ラ・シ・ノ!」と掛け声。これが習志野市民にとって一番メジャーな夏の休日の過ごし方なのだろう。
試合は結局、習志野2番手の佐藤投手が中盤以降自らホームランとタイムリーで3打点を上げる活躍もあり、8-5で習志野勝利。3回戦に進出した。校歌斉唱のときに大応援団を振り返ると、習志野タオルが蠢いていた。

タオルを掲げて校歌斉唱する大応援団

一般のファンもタオルを広げて校歌斉唱。みんなの習志野高校。
約2時間半の熱戦を見届け、イオンモールに避難したマイファミリーと合流するため早々に退場。次は、勝ち上がってたら来週日曜日の準々決勝を観戦しよう。

颯爽と立ち去る習志野高校吹奏楽部の生徒たち。日本一のエンターテインメント高校生軍団。