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思い出深い夏の甲子園・優勝決定シーン

投稿日:2018年6月17日 更新日:

夏の甲子園、決勝戦の最終回。最後の打者をアウトにとり優勝校のナインがマウンド上に集まり、2004年駒大苫小牧以降おなじみとなったNo.1ポーズで抱き合う。挨拶し対戦相手と握手・抱擁した後、いよいよ歓喜の校歌斉唱ーー。

決勝戦の試合終了前後の一連のシーンは、我々高校野球ファンにとっても2週間の熱い期間の終わりを告げる、興奮しつつも少し寂しい瞬間でもある。

そんな大会のフィナーレで、印象に残った過去のシーンをいくつか振り返りたい。

まずは、2014年の大阪桐蔭。近年ではダントツに優勝決定後の校歌斉唱の様子がよかった。

この年は秋の履正社戦でコールド負けするなど谷間と言われた世代。西谷監督に一度も褒められたことのないという選手たちは、冬以降徐々に実力をつけ、春季近畿大会で優勝。宿敵履正社を破って出場した夏の甲子園でも、中村主将の強力なキャプテンシーと団結力で粘り強く勝ち進んだ。そして決勝では三重高校相手に4-3、中村主将のつまりながらセンター前に落ちる逆転タイムリーで奪ったリードを堅守で守り抜いた。

大阪桐蔭の選手と言えば全国を代表する野球エリートたちだが、優勝後の校歌斉唱では多くの選手がむせび泣いていた。出場機会はなかったが、球場で存在感を放っていたぽっちゃり体系の背番号17番大森選手(キャッチャー・横井選手の向かって左隣)の感極まり方がまた、良い。職場でバーチャル高校野球(当然、無音)でこのシーンを見た筆者も思わずもらい泣きしそうになった。

次に、同じく大阪桐蔭。2008年は違う意味で印象に残る優勝決定シーンとなった。中田(現日本ハム)を擁した前年に夏の甲子園を逃し、この年も谷間の世代と言われていたが、出場した90回記念大会では浅村(現西武)を中心に打線が爆発。決勝戦でも常葉菊川を17-0と圧倒し、1991年の初出場優勝以来2度目の優勝を決めた。その優勝決定シーンがこちら。

ピッチャーゴロを一塁転送しアウト、試合終了。歓喜の輪に入ろうとした大阪桐蔭の福島投手に異変が。もみくちゃになった際、他の選手の指が福島投手の目に入ったのだろう。輪を離れ、帽子を拾い、もう一度輪に近づくも完全に出遅れた様子。決勝戦のMVPともいえる快投を見せたものの、仲間と喜び合うタイミングを逃してしまった福島投手が少しかわいそうだった。

優勝したのにかわいそうなのが大阪桐蔭・福島投手なら、優勝できなくてさらにかわいそうな目にあったのが2010年の東海大相模だ。

サイドスローに転向した一二三投手の好投と強力打線で決勝進出した同校だが、決勝の相手は春夏連覇、しかも夏は県勢初優勝を目指す興南高校。前日の準決勝では報徳学園を0-5からの大逆転劇で下し、偉業に王手。始まる前から「興南のための決勝」という雰囲気ができており、相模にとっては完全アウェーだった。その雰囲気に飲み込まれるように出た中盤の痛いミスも響き、1-13で大敗。沖縄勢初の夏優勝に、試合後もお祭り騒ぎの甲子園球場では閉会式前にウェーブが発生。

ウェーブは一塁側興南のアルプスからネット裏を通り、三塁側東海大相模アルプスへーー。その様子が、こちら。

そらやるよね、というかやらざるを得ない。東海大相模のアルプスもウェーブに乗っかると大喝采の甲子園球場。ボロ負けしてそっとしておいてほしいところを、結局2回もウェーブに付き合わされた相模応援団。現地で見ていて、乗っかってくれて少しホッコリしつつも、ちょっとかわいそうだった。(カツアゲされた上に記念撮影を強要されたような感覚?)

続いて、劇的な優勝決定シーンを2つ。

まず、1990年の天理高校。南・谷口の身長190cm級の大型投手2枚を擁する天理高校と沖縄県勢初優勝を目指す沖縄水産の決勝は、1-0と天理1点差リードで迎えた9回裏、沖縄水産が二死二塁のチャンスを作る。そして次打者が放ったレフトへの打球は、同点、どころかラッキーゾーンへの逆転サヨナラ2ランか、という鋭い当たりだったーー。(4:00頃から)

無情にも天理のレフト・小竹のファインプレーで試合終了。のちに興南が夏の優勝を遂げるまで、最も夏の優勝に近づいた瞬間だったが、あと一歩届かなかった。

そしてもう1つは、劇的なサヨナラ決着。

近年のセンバツでは2016年の智弁学園がサヨナラで優勝したが、夏の大会がサヨナラで決着したのは、桑田・清原ラストイヤーの1985年・PL学園が最後である。

大男がバットを持って歓喜の輪に入る姿が少し異様だが、こういう優勝の決まり方もよいものだ。第100回の今年、そろそろ夏の決勝でのサヨナラ決着が見られるのではないか。

最後に、筆者がこれまでで最も心打たれた優勝決定シーンがこちら。2002年の明徳義塾である。

(7:35頃から)

1992年の松井5連続敬遠から10年。明徳義塾が初優勝した場面で見せたキャプテン森岡の大号泣。むせび泣き、マウンド上の仲間の輪に加われない森岡の姿に、多くの高校野球ファンが明徳義塾の、そして森岡の背負ってきたものの重さを感じ、感動した。「大甲子園球場は、明徳義塾を、過去の様々な呪縛から、今解き放ちました!」という実況も良かった。

はたして、今年の第100回大会はどんな結末を迎えるか。

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