開幕まで1か月を切った、第92回のセンバツ。ここまで楽しみな顔ぶれが揃ったのはいつ以来だろうか。
2年前の90回大会もレベルが高かったが、開幕前から、まぁ大阪桐蔭だろうというムードだった。今年の顔ぶれが面白いのは、レベルが高いチームが多い一方で、大本命不在の混戦だという点だ。
出場校の中で優勝に近そうなのは、履正社・大阪桐蔭の大阪勢と、神宮大会チャンピオンの中京大中京、強力打線の東海大相模、以上の4校だろう。
対抗として残りの近畿勢(明石商、智弁和歌山、天理、智弁学園)と、昨年から主力が残り経験豊富な仙台育英・明徳義塾・星稜・明豊あたりの実力校、それから群馬3位から関東を制し、神宮大会の決勝まで進んだ健大高崎が絡んでくる構図か。
ダークホースとして、投打の大黒柱・片山率いる白樺学園と鍛治舎監督の下復活した県岐阜商を挙げたいが、このあたりになると正直優勝まではちょっと、という感じで、ベスト4くらいまでいくかもね、という感じである。
各校の見どころ、優勝するためのポイントを見ていきたい。
まず、履正社。大会屈指の打線と、昨夏の優勝経験を持つ岩崎投手の実力に疑いなしだが、ルール(※1週間で500球の球数制限)上、一人で大会を投げ切ることはほぼ不可能な中で、岩崎が登板しない試合をどうモノにするかが、最も重要なポイントと言えるだろう。2回戦の相手が21世紀同士の対戦の勝者、とまではいかずとも、かなりの格下という展開になれば、ぐっと優勝に近づく。
大阪桐蔭は投手の枚数では履正社を上回るが、大会序盤で軸になる投手を見出せるか。左腕・藤江を中心に回していくことになると思うが、秋の時点では力で相手打者を圧倒できる投手は見つけられなかった印象だ。また、17~18年の黄金世代の印象が強いが、その少し前の桐蔭は15年(0-11敦賀気比)、16年(1-4木更津総合)のセンバツのように、前評判が高くても、まったく反撃の糸口すらつかめずあっさり負ける展開も見られてきた。そして今チームも秋季近畿大会の決勝で天理に大敗(4-12)。劣勢に立たされたときにどこまで粘りを発揮できるか、という点にも注目したい。
そして秋チャンピオンの中京大中京。秋時点でのチーム力は図抜けていた印象があるが、なんといってもここのポイントは、二番手以降の投手起用だろう。球数制限ルールのもと、高橋監督が、いつ、どの場面でエース高橋をマウンドから下ろし、松島投手を起用するのか。17年夏の広陵戦の継投失敗(※5回を完ぺきに抑え込んでいた先発投手をベンチに下げた矢先、広陵の猛反撃に合い、後半4イニングを3投手で10失点)を目の当たりにしているだけに、注目してしまう。むしろ、また炎上するところを見たい気もする。
最後に東海大相模。鵜沼、山村、西川を中心とした超強力打線は、履正社と並んで大会屈指だろう。だが、ここも大阪桐蔭同様、投手の枚数は多いが、決め手に欠ける印象だ。そして最大の欠点は脆さだ。昨秋関東大会準決勝の健大高崎戦も、打線が序盤で突き放せなかった中で5回に2点差を逆転されると、そこから全く反撃ムードを作れないままズルズルと大敗(2-8)した。学院大中京に大逆転負け(4-9)した昨夏と同じような展開だった。序盤で自分たちのペースにできなかった場合に、その試合をどうモノにするか、真のチーム力を見たい。